2014年5月5日月曜日

”福島の放射線とこの鼻血とを関連づける医学的知見はない”と言うが 14-05-01

 2014年4月28日発売のビッグコミックスピリッツに掲載されている”美味しんぼ”で、主人公が鼻血を出し医者へ行くと、「福島の放射線とこの鼻血とを関連づける医学的知見がありません。」と言われる場面がある。
 実際に原作者の雁谷氏がどこの医者に見てもらったのかは定かではないが、作中にもあるように、鼻血が出ても他人に言わず黙っている人が多く、かつ開業医に診察してもらう程度で話が終わっていれば、学会で大きな問題となり、「医学的知見」になることもないだろう。
 この件に関して、必死になって打ち消そうとしている人達がいるようであるが、”チェルノブイリ (スペース)下痢 (スペース)鼻血”と検索すると、いっぱいヒットし、この症状は2011年以来かなり話題になっていたことが分かる。

 また疲労感・倦怠感についても、”ブラブラ病”で検索すると、やはりいっぱい出て来て、Wikipedia(下記URL)にも記述がある。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%88%86%E3%81%B6%E3%82%89%E3%81%B6%E3%82%89%E7%97%85

 こちらは、その方面の人には良く知られた話のようで、一般の人に知られていないだけのようである。
 鼻血も疲労感・倦怠感も疫学的には放射線との関連性を疑わねばならない事象だが、「福島の放射線とこの鼻血とを関連づける医学的知見がありません。」と言う一言で片付けられるのが日本の医療だとしたら、何ともやるせない話である。

 福島の被災者の中で、ぶらぶらとパチンコなどで日常暮らす人がかなりあるらしく、それを批判的に紹介する記事を目にすることもある。しかし、その人達が意欲の問題ではなく、疲労感・倦怠感から来る無気力で働けないのだとしたら、傍観者的に批判できる話でもない、と思う。

 庶民が苦しんでいるのを他所に、政府は原発再稼動に向って邁進している。
 腹立たしい限りである。