それにしても、1年10カ月も放って置いたことはカッコ悪い。これから暫く集中して書き進めたい。
1枚目と2枚目の図は、気象庁のサイトから採った”世界の年平均気温の変化”と”世界の年平均海面水温の変化”の図である。
100年間での温度上昇の数値は異なるが、変化のパターン(特に5年移動平均の曲線)はぴったり一致していると言ってもいい。
ただし、気温の上昇率は0.70℃/100年で海水面の温度の0.51℃/100年よりもやや高い。この理由を陸地では人間活動の結果としての排熱が押し上げていると解釈するだけでいいかどうかは、もっと後で検討したい。
変化のパターンがほぼ一致している理由を、”海面上の大気はその下の海水温から熱をもらい、さらにそれが対流によって拡散した結果”と考えれば、素直に受け入れられる。3番目に模式図として示した。
図の右側のポヤポヤは潜熱を表した積り。
しかしIPCCの考え方は異なるようで、大気からの熱が海に入る(大気からだけとは言ってないが・・・)事になっている(4番目の図)。(蛍光マーカーは筆者)
しかし、大気からの熱がどうやって海に入るのだろうか?
その疑問を5番目の図にまとめてみた。
二つの考え方がある。
一つは、大気と海面との間で熱交換が起こる。
もう一つは、大気中の熱が雨で海に落とされる、である。
一つ目の”大気が海に熱を与える”は図に見られるとおり、上層の暖かい大気が下降して熱を与え、熱を与えて冷えた大気が上昇しない限り(そして海の中ではその逆が起こらない限り)、起こらない。
図の中でも書いたが、”大気中の熱が雨で海に落とされて海を暖める”なら成り立つかも知れない。ただしこれも、海を100年間で海を0.51℃暖めるためには(海の温暖化が100%大気の熱から起こるとした場合)、大気の温度が510℃上がらなければならない。平均水深の1/5程度の深さまで熱が到達したと想定しても100年間で102℃上がらなければそれは起こらない。
さらに、今の仮定は大気の熱が100%雨で落とされた場合である。
6番目の図は、ちょうどこの文章を書いている2,015年10月27日の気象衛星の画像(全球)であるが、雲のある面積は10%位であろうか。そして、雲の下で常に雨が降っている訳ではない。
この程度の雨で大気からの熱が海に入って海を暖めるのだとすると、海に落ちずに残った大気の熱はいかほどのものになるのだろう。
面妖な事である。
それに、4番目の図中では“海面付近の水温が温室効果ガス濃度の変化のような気候の強制力に応答して平衡に達するには、10年ほどかかる。”(蛍光マーカーの辺り)と書かれている。
一方、先に述べたように、気温と海水面の温度は時間差なしに連動している。
二酸化炭素が大気を暖めるのが地球温暖化の原因であるとする考え方は、海の温暖化を見た時に、受け入れづらい。
海洋が暖められ、その結果として大気の温度も上昇した、と考えるのがやはり自然であろう。
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