2022年7月17日日曜日

福島原発処理水の海洋放出、なかなか危機感を共有してもらえない 2022 07 #1

  福島原発処理水の海洋放出について、私は非常に強い危機感を持っており、福島沖への放出反対と代替策についての意見を原子力規制委員会のパブコメに送った。
 内容は;
1.トリチウムは生態系に出されると容易に有機トリチウムになって魚類を汚染し、最終的に人間の口に入る事になる。風評被害ではなく実害が発生するのである。
2.現状での放出は、どんなに薄めても元の量が変わる訳でなく、トリチウム以外の核種を含めて環境を汚染する。
3.グリーンピースからの情報によれば、東電と日本政府は採用しなかったが、トリチウム以外の核種を検出限界まで減らす技術はある。今からでも遅くはないので、その技術を使って放射性核種がトリチウムだけになるようにすべきである。
4.放射性核種をトリチウムだけにすれば、トリチウムの半減期は約12年なので、海底に1,000年程度保管すれば、濃度はほぼ0にまで減少する。具体的には、熱塩循環の中に押し込む方法である。
5.現在政府は30~40年かけて福島沖に放出する計画を発表しているが、それに要する経費は莫大である。北極海もしくは南極海までタンカーで運んで、そこで熱塩循環の中に入れる方法ならそれほどの経費は掛からない筈である。

 そのパブコメに送った意見の内容をもう少し詳しく中部異業種間リサイクルネットワーク(CRN)で発表したものをpdfファイルにして下記にアプロードした。
 内容の要約を下に示す。

 少々不便ですが、下のURLからGoogleドライブに行ってファイルをダウンロードして下さい。
https://drive.google.com/drive/u/0/folders/1SiOHE9G4QAl7IO-uPHA33oERas-x9HNo

 また、このファイルはpdfなので、スライドから文中で引用したサイトに直接飛ぶ事が出来ない。
 下記に見て欲しいサイトのURLを載せたので、こちらも実際に見ていただきたい。
 政府が言っている「風評被害」等ではなく、「実害が及ぶ」と言っている元の根拠なので、ぜひ見ていただきたい。

 スライド6で紹介した原子力資料情報室による「復興庁「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」へのコメント」
https://cnic.jp/38979

 スライド7~9に紹介したティム・ディア=ジョーンズ氏のYouTubeの動画。スライド10はディア=ジョーンズ氏の話から私が作成した図。
https://www.youtube.com/watch?v=hisW0esQR0Q

 スライド13・14で紹介した、202010月にグリーンピース・ジャパンとグリーンピース・東アジアが発行した「東電福島第一原発 汚染水の危機2020https://storage.googleapis.com/planet4-japan-stateless/2020/10/ba82306e-radioactivewater_jp_fin.pdf (リダイレクトの警告が出ますが、問題ありません。以下、リダイレクトの警告は無視して問題ありません。)

 スライド17~20に示した熱塩循環の図は下記のサイトから取り出した。
http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~shw/space2/%E7%AC%AC24-28%E7%AB%A0.pdf 

 スライド21の計算例は下記のサイトから取り出した。
https://eneken.ieej.or.jp/data/old/pdf/crude06.pdf 

 私自身は、随分力を込めてこれを書いた積りなのだが、先のCRNの例会などでも、東北地方の太平洋沿岸、さらにはその外側の太平洋で獲れた魚が食べられなくなると言う危機感をなかなか共有してもらえない。
 私は、「パブコメに意見を送った。」と言う実績作りのために意見を送ったのだが、原子力規制委員会は既定方針通り東電からの処分案を承認するだろう。そして、海底の放出用のパイプの工事も粛々と進んで行くだろう。
 もちろん問題意識を持って福島沖への放出に反対している人達はいる。
 しかし、政府はもちろん受け入れないであろうし、一般の国民も大半が政府の安全神話に洗脳されてしまっていて、陸上保管と言う環境団体等の主張が浸透するとは考えにくい。
 今必要なのは、正論を昔ながらのやり方で繰り返すのではなく、一般の人が振り向いてくれるようなちょっと変わった主張を展開する事ではないかと考えている。

 先日も、原発処理水(汚染水)の海洋放出に全漁連が反対している報道があった時に、それに対する書き込みのほとんど政府の発表を鵜呑みにしており、中には全漁連を罵る内容も相当数あった。
 もし漁業関係者にこの考えを伝えて同感してもらえ、海洋放出反対の論拠として掲げてもらえれば、多くの国民の目に触れる事によって、あるいは流れを変える事が可能になるのではないかと思う。

 そこでお願いですが、これを読んで共感してくれる人がいたら、どんどん拡散していただきたい。多くの人に見てもらえれば、どこかで漁業関係者に伝わる事もあるのではないか、そしてそこから流れが変えられないか、そのような期待を込めてこのブログをアップした。




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