ヤフーニュースで以下の記事を見つけた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7127621377b9835bef06a924e7819385a4448c29?page=1
私はウーマンラッシュアワーと言うコンビもウーマン村本も一度も見たことはないが、この記事からは村本大輔氏の福島への思いと彼の純粋さが伝わって来る。
その部分を下記に引用する。
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”村本さんは「俺、心配なことがあってね。いま、処理水の海洋放出の検討が進められている。国の人たちは安全って言う。木野さんの説明を受けて、人体に影響ないのも理解はした。政府は全漁連が納得したら海に流すのかもしれないけど、それは違うんじゃないか。本当にすべての漁師さんが納得したのか。不安に感じているけれど、漁連の大きな声に押しつぶされて言い出せない人がいるかもしれない」と話し始めた。 木野さんは「不安に感じる人の声を無視はできない。でも、これはいつか誰かが決めなければいけない問題なんです」と応じ、「私にできることは、原子力を学んだ者として、安全なものは安全と言い続けることです。そうじゃないと、福島のためにならない」と強調した。 村本さんは「誰かが犠牲になって、この国は成り立っている。沖縄が犠牲になって、俺たちの安心が成り立っている。俺が総理だったら、処理水飲むね。他人に何かを強いるのであれば、自分も何かの犠牲になって、誰かを安心させなければいけないと思う」と言った。 そして、「俺、飲みますよ、カメラ回ってる前で、勝手に。おなか壊すよりも、それが漁師さんのためになるんだったら。村本が勝手に飲んだってことにして良いので、どうですか、木野さん」と続けた。 木野さんは「もし飲んだら人類初です。管理責任を問われて私のクビは飛んじゃいますね」と笑った。”
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ただし、彼にそのように思わせたやり取りがその前段にある。
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”東京から新幹線と車で約4時間。免許証の確認や指の静脈認証など厳重なセキュリティーチェックを終えて構内に入ると、案内役の資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官(52)が、350ミリリットルほどの小さなプラスチック製の容器を示し、「これが原発処理水です」と説明を始めた。 木野さんは東京大学で原子力工学を学んだ後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。原発事故直後に福島に赴任し、事故の収束や廃炉作業に関わり続けている。 第一原発では、敷地内で増え続ける処理済み汚染水の処分が大きな課題となっている。敷地の制約から、水をためるタンクが満杯になる時期は「2022年秋ごろ」とされ、政府は処理した汚染水を海に放出する方針だが、風評被害を懸念する全国漁業協同組合連合会(全漁連)など漁業者の反発は強く、処分方法の正式決定は先延ばしされている。 木野さんがボトルに線量計を向けた。村本さんが鋭い目つきでにらむが、針はほとんど動かない。 木野さんが「変わんないんです。処理水は、人体に影響を与えるガンマ線が出ていないんですよ。トリチウムは残っているけど、人体に与える影響は無視できるくらい小さいんです」と説明すると、村本さんは「これ、飲めるんですか?」と尋ねた。 「放射性物質の影響は無視できるくらい小さい。ただ、大腸菌などの雑菌がいるので、おなか壊しますよ」と答えると、村本さんは「国の側からすると、安全なものを、金をかけてため続けている?」とさらに尋ねた。 木野さんは「タンクは一つ1億円ですから。処理水タンクが1050基あるので、これだけで1050億円。敷地もあと2年ほどで満杯になるとされている」と答えた。 木野さんが処分方法について、「今、政府が地元自治体や漁師さんたちのもとを回り、説明しています。でも最後は、国の責任で決めるしかないんです」と話すと、村本さんは「安心と安全か。難しいなあ」とうなった。”
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問題はこの部分である。
”「変わんないんです。処理水は、人体に影響を与えるガンマ線が出ていないんですよ。トリチウムは残っているけど、人体に与える影響は無視できるくらい小さいんです」”
わざわざ処理水に線量計を近づけてガンマ線が出ていないことを見せ、”人体に影響を与えるガンマ線”という表現でガンマ線が出ていなければ安全であるかの如く錯覚させる。巧妙なやり口である。
私はトリチウムが人体にほとんど無害であると言う主張は信じていない。電子線を出す以上それが体内に入ればDNAは当然傷つけられるはずである。体内に入ったトリチウムを化学反応の過程で栄養成分に取り込めば、言われるように人体を素通りするのではなく、さらに長時間体内に留まる事になる。トリチウムの半減期は12年。12年経っても半分になるだけである。
増してや、同じくベータ線(電子線)のみ放出してガンマ線を放射しないストロンチウム90が安全であると思う人はいない筈である。
また以前の投稿(2020-11 #1, https://yoshisato.blogspot.com/2020/11/2020-11-1.html)で書いたように、現在のシステムではストロンチウム90や炭素14が処理水から除去しきれずに残っている。この記事の処理水にもストロンチウム90や炭素14が高濃度で残っていたと考えるのが自然である。
流石にこの相手の人も村本氏にストロンチウム90を飲ませるだけの度胸はなかった様子である。
このような記事が広く読まれると、福島の処理水が安全であるという認識が読者の潜在意識に刷り込まれ、世論を海上投棄容認に誘導するよう働くことは容易に推測できる。
ふと思い出したのだが、福島の原発事故から程なく、原発の処理水を飲むパフォーマンスをやって見せていた国会議員がいた。あの人今も無事なんだろうか?
あの手この手で汚染水の海洋放出に持ち込もうとする政府の姿勢がいじましい。
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